『昭 田中角栄と生きた女』

「越山会(田中角栄の後援会)の女王」と呼ばれた佐藤昭子の娘が、母親と「父」角栄についての複雑な思いをつづった一冊。 昭さんと角栄氏の関係についてもっと掘り下げてあるのかと期待して読み進めたら、実はその辺の事情は筆者は母親から直接聞いたことが…

『キャズム』

ちょっと前に割と話題になったジェフリー・ムーアの「キャズム理論」の本を読んでみた。 商品には必ずベル曲線状の成長段階(ライフサイクル)があって、まずはInnovators(革新者)によって試され、Early Adopters(先駆者)が取り上げ、Early Majorityが追…

『父・金正日と私 金正男独占告白』

東京新聞記者の五味洋治氏による、あの金正男氏の独占インタビュー本。 2004年、北京空港で正男氏に似た男の姿を見かけた筆者は、飛び込みで名刺を手渡し挨拶を交わす。その場では男はあいまいな受け答えで逃げるように姿を消すのだが、筆者も忘れた頃になっ…

『「有名人になる」ということ』

自らの体験をもとに勝間和代さんが吐露する、まさに「有名人になる」ということはどういうことなのか、という戦略と体験と顛末。 そもそも勝間さんは、リーマンショックで立ち行かなくなった社会的責任投資ファンド事務所を存続させミッションを続けるために…

『追撃の閃光(アーク) 兇兵器ヴァン・ヴィール(1)』

追撃の閃光(アーク)―兇兵器ヴァン・ヴィール〈1〉 (ソノラマ文庫)作者: はままさのり,沖一出版社/メーカー: 朝日ソノラマ発売日: 1988/03メディア: 文庫 クリック: 1回この商品を含むブログを見るこの前自炊で読み終わった「青の騎士ベルゼルガ物語」4部作の…

『青の騎士ベルゼルガ物語 絶叫の騎士』

青の騎士ベルゼルガ物語 絶叫の騎士 (ソノラマ文庫)作者: はままさのり,幡池裕行出版社/メーカー: 朝日ソノラマ発売日: 1987/07メディア: 文庫この商品を含むブログ (4件) を見る自炊で読むベルゼルガ4部作、堂々の完結。 「アストラギウス銀河の恐怖の記憶…

『音楽力が高まる17の「なに?」』

音楽はいまや日常生活にあふれていて、ついつい身近にあるのが普通に思えるのだけれど、冷静に考えるとそうなったのは人類の歴史上ごくごく最近のこと。 たとえば西洋近代音楽の7音階にしても、統一基準の標準ピッチは1939年の国際標準音会議において決定さ…

『青の騎士ベルゼルガ物語「K'」』

青の騎士ベルゼルガ物語『K'』 (ソノラマ文庫)作者: はままさのり,幡池裕行出版社/メーカー: 朝日ソノラマ発売日: 1986/05メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 2回この商品を含むブログ (4件) を見るベルゼルガ4部作、3冊目を自炊してソニーreaderで読了。 も…

『ゲーミフィケーション がビジネスを変える』

がビジネスを変える" title="ゲーミフィケーション―がビジネスを変える" class="asin"> ここ数年脚光を浴びている「ゲーミフィケーション」という概念。本書によれば「ゲームの考え方やデザイン・メカニクスなどの要素を、ゲーム以外の社会的な活動やサービ…

「父と息子のフィルム・クラブ」

ある日突然高校を中退した息子。映画評論家だが現在は連載も番組も持っていない実質上失職中の父親は、中退を許す交換条件として「週に一回お父さんと一緒に映画を見ること」を息子への課題とする。 作者のデヴィッド・ギルモア氏自身映画評論家で、実際に高…

『カジノの文化誌』

日本でもカジノ法案が提出されるとかされないとかいう話が出ているが、個人的に興味があってカジノのことを少し調べている私に言わせれば、たとえばお台場や大阪の湾岸地域などにある程度の規模のカジノを作ったとしても、先行するアジアの他地域のカジノに…

『青の騎士ベルゼルガ物語2』

自炊版『青の騎士ベルゼルガ物語』全2巻を読み終えた。 小学生時代は文体の熱さに夢中になって何度も読み返したものだが、大人になったいま読むとさすがに粗が目立つ。しかしそれもまたよし。 それと、「ベルゼルガ」って「バーサーカー」のもじりだったの…

『基地はなぜ沖縄に集中しているのか』

沖縄には2万人以上の米軍が駐留しており、その6割以上は海兵隊が占めている。総兵力20万人余の米海兵隊において、主力部隊である機動展開部隊が常駐しているのは、アメリカ本土の東海岸と西海岸を除いては沖縄だけだという。 第二次大戦後から朝鮮戦争当時ま…

『「TPP開国論」のウソ 平成の黒船は泥舟だった』

先日読んだ『TPP亡国論』*1の著者、中野剛志氏が中心となって編集された、まあタイトルのとおりTPP反対の論説が3本載っている本。 中野氏のアンチTPPぶりは徹底されていて、序文にもTPP参加の施策を「狂った思想に基づく馬鹿げた改革」「ですから、このTPPは…

『青の騎士ベルゼルガ物語1』

初めてSONY Readerで通読した自炊本。小学生時代に何度も繰り返し読んだ、『青の騎士ベルゼルガ物語』。いまはなき朝日ソノラマ文庫*1のオリジナルをいまだに大切に持っていたのだが、いっそデジタル化したほうが保存性がよいし、いつでも持ち出せる…という…

『TPP亡国論』

経済産業省に所属(この本を書いた時点では京都大学、現在は独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構に出向)している現役官僚によるTPPの解説本…というか「なぜTPPは日本にとって害をなすのか」を説明した本。 筆者いわく、菅首相(当時)が唐突に…

『人事屋が書いた経理の本―MGから生まれた戦略会計マニュアル』

思い立って会社経理のことをちょこっと勉強している。財務諸表の読み方とか。 で、この分野では古典と言われているらしい本書をとりあえず読んでみた。略語が多くて「これって何の略だったっけ?」と何度も戻ったりしつつ。 「簿記」という訳語は、英語の「b…

『動員の革命 ソーシャルメディアは何を変えたのか』

3月11日の東日本大震災、それに引き起こされた原発事故。海外に目を向けると一連の「アラブの春」。これらの背景で一躍注目を浴びるようになったのが「ソーシャルメディア」の持つ力だった。 震災前から「tsudaる」と表現されたツイッターでの実況や、震災後…

『カワサキ・キッド』

少年隊のヒガシこと東山紀之の自伝。図書館で見かけて、ついつい借りてしまった本。 ヒガシというと、現在でも驚異の体脂肪率をキープし華麗なダンスを舞うスポーツ万能の人…という印象だったが、赤ん坊の頃に両足に大やけどを負って後遺症を長年かばった結…

『デザイナーと道具』

人は大きく言って「道具になんかこだわらない」派と、「とことん道具にこだわる」派に別れる。前者はその辺にある100円ボールペンでコピーの裏紙に書きなぐるので全然問題ないと言い、後者はいつも使っている筆記具が手元にないと全く仕事にならないという。…

『官僚の責任』

元経済産業省(旧通商産業省)の官僚だった筆者の古賀茂明氏による、官僚および行政機構の批判の書。 2011年3月11日の東日本大震災および原発事故を受けて出版された書なので、出足部分は「本当は防げたかもしれない原発事故」という話が続く。そしてそれも…

『インドへ』

画家の横尾忠則氏によるインド旅行記。と言っても70年代半ばの話なので、そもそも氏がインドへ行きたいと思ったきっかけが「ビートルズがインドへ行ったから」といった感じで、さすがに時代を感じた。 インドの高地でUFOのような光の塊を見た話とかが普通に…

『文化系のためのヒップホップ入門』

結局ヒップホップというのは大喜利だ、ということで納得した。だからお題に沿っている、つまりステレオタイプを踏襲しているように見えるのが当たり前。有季定型の俳句で競い合っているようなもの。 ずばり、一定のルールのもとで参加者たちが優劣を競い合う…

『歌舞伎町案内人』

先日行った「湖南菜館」のオーナー、李小牧さんの自伝的エッセイ集。 バレエダンサー、新聞記者などを経て留学生として来日、ファッションデザイナーを目指し東京モード学園に通いながら特派員としてファッション記事を執筆する傍ら、糊口をしのぐために始め…

『情報の呼吸法』

一時「ツダる」(ナツい!)で有名だった筆者が、昨年3月11日の震災直後にはあらゆるソースから地震や原発情報をリツイートしまくって自ら情報のハブになった。本書は、それ以降のソーシャルメディアに対する筆者の考え方をまとめたもの。 「情報とは何か?…

『茶道と天下統一』

図書館でたまたま見かけて、「外国人の筆者が『茶道と天下統一』?」と気になり借りてきた本。どうせオリエンタリズムの眼鏡で見たヘンテコ評論だろうと高をくくって読み始めたら、これが大間違い。これまでに読んだどの茶道関連本よりもわかりやすくて納得…

『1Q84 BOOK 3』

青豆が自殺を図るところで幕を閉じたかに思えた物語、だがその先があった…ということでBOOK 3へ。 1984年のパラレルワールドである「1Q84」の世界では月が二つ存在しているのだが、これはもともとは一つであるべき何かが分裂した世界であることを表している…

『バッハ「ゴルトベルク変奏曲」世界・音楽・メディア』

音楽批評家の小沼純一氏による、対話形式で書かれたバッハとその作品「ゴルトベルク変奏曲」についてのエッセイ。全部で30ある変奏全てについてあれこれ書かれていたのは面白かった。 ゴルトベルク変奏曲と言われてもすぐにピンと来ない方もいるだろうが、こ…

『ロシアのごはん』

引き続き「絵本・世界の食事」シリーズ。 ロシアのことわざ「朝はひとりで食べ、昼は友だちと分け合って食べ、夜は敵にあげなさい」…朝はしっかり、昼は楽しく、夜は食べ過ぎない、ということらしい。 ロシア餃子「ペリメニ」は、酢、溶かしバター、スメタナ…

『こちらマガーク探偵団』

小学校のとき夢中になってたのが懐かしくて図書館で借りたら、私より先に6歳の長男が読んでしまい、さらにシリーズを図書館で借りてきたので、いま続刊も含めて家に6冊置いてある状態。ズンチャチャ。 私が小学生の頃に読んでいたのは実はいったん絶版になっ…