『「有名人になる」ということ』

「有名人になる」ということ (ディスカヴァー携書)
自らの体験をもとに勝間和代さんが吐露する、まさに「有名人になる」ということはどういうことなのか、という戦略と体験と顛末。
そもそも勝間さんは、リーマンショックで立ち行かなくなった社会的責任投資ファンド事務所を存続させミッションを続けるために、「非助成認知率」を30パーセントにまで上げることを目標に、「有名人になること」を選択したという。「非助成認知」というのは、「××といったら何ですか?」と聞かれてすぐに思い浮かべられるような存在として認められるということで、この場合「女性で経済や投資などの分野で活躍する人といえば?」という問いに対して「勝間さん!」と答えられるようになる…そんな社会的認知度を、3割まで高めようということである。
以来、紅白審査員になることと「金スマ」で特集されることを目標にするなど、具体的に戦略を立てて、実際それを実現してしまったのはご案内のとおり。
ただその勝間氏をして、冷静にビジネスとして考えると有名人になることは得ではない…と言わしめるのだが、つまりは「有名人であること」をテコに、それ以外の本業(副業)を膨らませられないと割に合わないということか。


いろいろ毀誉褒貶はあるだろうが、ただものすごく具体的に経過が書かれているのは確かなので、たとえば人間ではなくて商品やビジネスそのものをこのメソッドを応用して展開して(有名にして)行くことは可能なのか、興味を覚えた。