『「TPP開国論」のウソ 平成の黒船は泥舟だった』

「TPP開国論」のウソ 平成の黒船は泥舟だった
先日読んだ『TPP亡国論』*1の著者、中野剛志氏が中心となって編集された、まあタイトルのとおりTPP反対の論説が3本載っている本。
中野氏のアンチTPPぶりは徹底されていて、序文にもTPP参加の施策を「狂った思想に基づく馬鹿げた改革」「ですから、このTPPは、その背景にあるイデオロギーもろとも、根こそぎ潰さなければいけません。そのためには…「無血クーデター」を…」とまで表現している。正直言って、いくら述べていることが学術的根拠に基づくものだったとしても、こんなファナティックな表現をする著者には鼻白んでしまうのだが…。


それと、TPPについての論議を読んでいていつも思うのだが、賛成論も反対論も対アメリカの受け身な議論が多い。そこでなぜ日本発の積極的経済政策を打ち出せないのだろうか? もっと「日本主導のアジア経済圏」(この言い方はある種の誤解を招くかもしれないが…)とかをぶち上げる人はいないのだろうか?
あと、本書ではしきりに「政府もマスコミもTPP推進の「集団催眠」にかかっている」と繰り返されているが、それは何故なのかがよく分からない。