競馬

凱旋門賞

昨年の日本の3冠馬オルフェーヴルが出走した今年の凱旋門賞。 惜しい! 最後はさすがに息が上がっていたか…後ろからきた馬に驚いたかラチにぶつかりそうになっていた。ここは斤量差がきいたか。 凱旋門賞はアローワンスを考えるとどうしたって日本馬も3歳時…

三冠ならず!

英国のドンカスター競馬場で行われた伝統のレース「セントレジャー・ステークス」。このレースは2000ギニー、エプソムダービーに続く「Triple Crown」の最後の一戦に位置づけられており、18世紀以来、この3つのレースを勝った馬だけが「三冠馬」と称される。…

『富国強馬 ウマからみた近代日本』

明治維新後、軍国主義が進む中、近代戦の要である「軍馬」の整備は日本軍にとって焦眉の急だった。しかし日本在来種では全く役に立たないと実感した軍部および明治政府が、強力に馬匹改良を推進することになる。 日本各地に輸入馬を払い下げ、在来種との雑種…

『浮世絵 明治の競馬』

今年は日本における「近代競馬150周年」にあたるそうだが、近代競馬とはいったい何を指していて、どこから数えて150周年なのかよく分からなかったので、何冊かの本を図書館から借りてきて自分で調べてみることにした。まずはこの本。 結論から言うと、いまか…

Victorie Pisa wins Dubai World Cup race for Japan

日本時間の今日未明に行われた、競馬の世界最高賞金レース「ドバイワールドカップ」で、日本馬がワンツーフィニッシュの快挙を成し遂げた。 Owner said,"It has been a really dark time for Japan and hopefully this will help to lift the country..." タ…

finally,she is lost!

日本時間の今朝(現地時間の6日夕刻)行われた米国競馬の最高峰、ブリーダーズカップ・クラシック。 デビュー以来19戦19勝、いまや全米のメディアが注目するヒロインとなった牝馬ゼニヤッタが、惜しくもクビ差届かず、引退レースにして初めて2着に敗れた。 …

世界の頂点までアタマ差

エルコンドルパサーの「1/2馬身差」から11年、その差は「アタマ差」まで縮まった。現地時間昨日に行われたフランスのG1凱旋門賞で、今年の宝塚記念を勝ったナカヤマフェスタが僅差の2着となった。 Thoroughbred Times @TTimes Thoroughbred Times VIDEO (fr…

Whale Capture

たまたま競馬を見ていたら、今日の中山9R芙蓉ステークスを勝った馬が「ホエールキャプチャ」という名前だった。父はクロフネ。 これはもしや…と思って由来を調べたら、案の定「鯨+捕獲。父名よりペリーの寄港した理由を想像して」とあった。捕鯨に関心のあ…

大逃走

フランス時間の19日に行われた障害のGI競走「Grande Course de Haies d'Auteuil(オートゥイユ大障害)」。大逃げを打った馬が、そのまま2着以下に記録的大差をつけてゴールしてしまった。まるで一頭だけ別のレースを走っているみたい。 ZETURF - Horse bett…

『ミスター・ジャパンカップと呼ばれた男 異端の挑戦』

中央競馬には外国の有力馬を招待して国内のトップホースと戦わせる「ジャパンカップ」というレースがあり、毎年11月の終わりに東京競馬場で行われている。この秋で節目の30回目を数える。 段階を追って外国馬の出走制限も緩和され、今年からはいよいよJRAの…

『重賞』

先日亡くなったディック・フランシスの競馬ミステリ。新潟の同僚から借りていたのを、こちらに引っ越してきてから慌てて読んだ(もう遅い)。そのうち返さないと。 若くして独創的なおもちゃの特許で財を成したスコットは、将来を嘱望された障害レースの調教…

ディック・フランシス死去

(15日の)明け方twitterのTLを見ていたらディック・フランシス死去の報が。あちこちのニュースでは「競馬の騎手だった」としか触れられていないけど、正確には英国で障害レースの騎手をしていたフランシス氏。この辺、一般読者には別に気にならないところな…

中央競馬史上最多9頭落馬

悪夢のような光景だった。JRA史上最多の9頭が落馬する大事故が発生したのは11日の中山4R。先頭を走るノボプロジェクトの4角外斜行が起因となり、次々と後続が落馬した。同馬は1位入線→失格となり、三浦皇成騎手(20)=美浦・フリー=は24日ま…

E.P. Taylor's legendary Windfields Farm nears its end.

相当遅れての話だが、こんな記事を見つけた。一つの時代の終わりを告げる、印象的なニュースだ。 ウィンドフィールズ牧場、11月セールを最後に閉場へ(カナダ) ウィンドフィールズ牧場(Windfields Farm カナダのオンタリオ州オシャワ)は、1964年のケンタ…

『バクチと自治体』

いわゆる「公営ギャンブル」(競馬、競輪、競艇、オートレース)の草創期から現在に至るまでを追いながら、「公営ギャンブル」が「公営」たる理由である施行者=自治体側の事情も読み解いていく意欲作。 公営ギャンブルは、もともとは戦後の財政難を解決する…

『競馬の快楽』

古本屋で見つけて何気なく購入。 著者の植島啓司氏は私が大阪で大学生をやっていた頃は関西大学の教授で*1、競馬に造詣の深い文化・宗教人類学者という変り種として競馬マスコミによく登場していた。あれは関西版だけだったのかもしれないが、朝日新聞あたり…

『競馬必勝放浪記』

講談社入社後、「月刊現代」編集部を皮切りに編集者生活を勤め上げ、「週刊現代」誌や「FRIDAY」誌などの編集長も歴任した筆者の元木昌彦氏が、公私共に情熱を傾けた競馬を軸に、関わってきた作家や芸能人などを振り返ったエッセイ。 氏は「大事なことは全て…

『恋と伯爵と大正デモクラシー 有馬頼寧日記1919』

「有馬記念」といえば競馬を知らない人でも名前くらいは聞いたことがある年末の大レースだが、その「有馬」というのは何かというと、日本中央競馬会の第2代理事長を務めた有馬頼寧(ありま・よりやす)氏から取られている…というのは意外と知られていない。 …

『馬の耳に真珠』

馬の耳に真珠 (文春文庫PLUS)作者: 井崎脩五郎出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2001/09メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見る競馬評論家の井崎脩五郎氏による、競馬にまつわる「嘘のようで本当にあった話」を集めたエッセイ集。 競馬というのは…

2月14日のバレンタインステークス

珍しくスポーツ新聞の競馬欄をじっくり見る。今日の東京競馬のメインレースは「バレンタインステークス」。 何かバレンタインデーにちなんだ馬がいないかと出馬表を隅から隅まで眺めていて、7枠14番の「アポロドルチェ」が目に留まった。気になって調べてみ…

『ギャロップ』

ギャロップ (角川文庫)作者: 飯星景子出版社/メーカー: 角川書店発売日: 1991/09メディア: 文庫この商品を含むブログ (2件) を見るひと昔前まで「スポーツうるぐす」あたりで競馬の話をする時に出てきたりしていた、作家の飯星景子さん。どういう作品を書い…

『興奮』

職場の先輩からちょこちょこと借りている、ディック・フランシスの競馬ミステリシリーズ。今回はシリーズ最高傑作の呼び声も高い、『興奮』を借りて読み終えた。 イギリス障害競馬界で、それまでまるで走らない馬が突然激走し大穴を開けるという不可解なでき…

ブラントンの行進

北関東の某都市を訪れている。年明けに雪に降り込められたのと同じ街。 こちらに着いたのはすでに夜になってからだったが、以前から目をつけていた老舗のバーへ行ってみた。銀座の某有名店でシェイカーを振っていたこともあるというマスターは、当然あらゆる…

『標的』

以前職場の先輩から「お薦め」と言って貸してもらった、ディック・フランシスの2冊のうち1冊*1。 ディック・フランシスの競馬ミステリは、一部の例外を除いてほとんど全ての作品で違う主人公が活躍する。本作の主人公は「サバイバルの達人であるとともに駆け…

『大穴』

職場の先輩に「お薦め」と言われて貸してもらった、ディック・フランシスの競馬ミステリ。 私は競馬ファンなのに、ディック・フランシスの小説はこれまで一度も読んだことはなかった。しかし最初に読んだ本作が思いのほか面白かったので、これからチョコチョ…

「競馬漬け」その後

昨年6月から始めた、競馬に関する本を読み進む「競馬漬け」の企画。年も改まったので一応もう終わりにしようと思うが、あのときにリストに挙げた本の8割は自分で持っている本なので、まあそのうち気が向いたときに読んでここに記録することもあると思う。 と…

『優駿(下)』

競馬漬け第14弾。 「オラシオンか……。あいつが生まれてから、なんだか何もかもがあっちこっちへ流れ始めたような気がするよ」 多田はよく冷えたコーラを飲み干し、屑籠に投げ入れると、そう言った。 「何もかもって?」 佐木は、足元に散らばっている外れ馬…

『優駿(上)』

競馬漬け第13弾。映画化もされた宮本輝の競馬小説。 「オラシオン」と名付けられた一頭のサラブレッドを軸にして、その生産者、馬主、馬主の娘、馬主の隠し子、馬主の秘書、調教師、騎手などなどが繰り広げる人間ドラマ。 おそらく非常に丹念な取材に基づい…

『馬産地80話 日高から見た日本競馬』

競馬漬け第12弾。 著者の岩崎徹氏は札幌大学経済学部の教授で、長年にわたり馬産地としての北海道・日高地区のフィールドワークを積み重ね、日本の競馬を馬産地経済の観点から研究されている方。 この方には『競馬社会をみると、日本経済がみえてくる』とい…

『いつか王子駅で』

競馬漬け第11弾。 作者の堀江敏幸という人を私は全く知らなかったのだが、はてな内の感想などを読んでいると、どうも読書人には割と人気のある作家らしい。明治大学の教授(フランス文学)にして芥川賞作家。 本作はその堀江氏の初の長編小説ということで、…