「塩焼き豆腐の磯巻き」「小竹葉(おざさ)豆腐」「雪消飯(ゆきげめし)」
つれあいに「誕生日のディナーは何を作ってほしいか」と聞かれたので、久々に「豆腐百珍」から何種か作ってもらった。どれも安くて手のかからないものばかりだが、つれあいの名誉のために言っておくと、あくまで私の希望である。
塩焼き豆腐の磯巻き
私が最初に入手した「豆腐百珍」の本は、新潮社の『豆腐百珍』というそのものずばりのタイトルの本(ISBN:4106020653)だったが、その後古本屋で『京都・竹之御所流 新豆腐百珍』という本(ISBN:4122026326)を見つけた。江戸伝来の「豆腐百珍」とはちょっと違う、京都の禅寺の精進料理にある豆腐料理が紹介されている。
「塩焼き豆腐の磯巻き」は、この「竹之御所流」のほうから。
<作り方>
塩焼き豆腐の磯巻き
- 布巾で豆腐の水気を取り、1センチ厚に切る
- 指の腹で両面に塩を塗りつける
- 両面に軽く焦げ目がつくくらいに炙る (塩焼き豆腐完成)
- 浅草海苔を炙って適当な大きさに切り、塩焼き豆腐を巻く
これは意外といけた。海苔は良いものを使わないと風味不足になると思う。
<作り方>
小竹葉豆腐
- 豆腐の水気を切り、両面をこんがりと焼く
- だし・醤油・みりんなどでつけ汁を作り、焼いた豆腐を手で崩しながら入れて煮る
- 溶き卵をかけ、半熟状態で火を止める
- 山椒をかける
名前の由来はよくわからないが、小竹葉とはゆかしげな名前だ。「焼き豆腐の卵とじ」なんて言ってしまえばそれまで。豆腐は固めのものをしっかり焼いたほうがよいようだ。
お酒のことを中国の故事にちなんで雅語で「竹葉(ちくよう)」と言ったりするが、この小竹葉豆腐なんか、冬の夜のお酒のおともには丁度よいのではないだろうか。
<作り方>
雪消飯
- 冷や飯を湯で洗いパラリとさせる
- うどん様に切った豆腐をだしで煮る
- 温めておいた器にだしごと豆腐を入れ、大根おろしを乗せ、その上に冷や飯を乗せる
このネーミングが心憎い。
ひとしきり飲んだ後の〆の一品に最適だろう。飲み過ぎた時には辛めの大根おろしで。