「セシル」/浅香唯

あなたの悲しみ代われるなら 私はこのままそばにいたい
かかとを揃えた二人の影 こんなに背の高さ違うの
映画で見たセシルのように 嘘は言いたくない

(※)人は大人になるたび弱くなるよね
  ふっと自信をなくして迷ってしまう
  だから友達以上の愛を探すの
  今夜私がそれになれればいいのに


頬杖つく手を変えるだけで あなたは何にも話さないね
幼稚ね自分を呼び捨てする いつもの私も大人しい
ふいに気付くあなたの涙 見ないふりをした

  恋は楽しいときより悲しいときに
  そっと始まったほうが長く続くね
  きっと誰でも一人は味方がいるの
  いつも私がそれになれればいいのに


(※)くりかえし

作詞は、吉川晃司の「You Gotta Chance」や小比類巻かほる「Hold On Me」の、麻生圭子さん。この方の詞を見てると、なんか微妙に日本語や英語の使い方がおかしいんですよね〜。「you gotta chance」って、「お前はチャンスになる」っていう意味になるような気がするんですけど…。


そんな麻生さんによる「セシル」の歌詞。サビの部分とか、すごくいいと思うんですけど、この歌詞に出てくる「私」と「あなた」の関係がイマイチわからないんですよ。
一応「私」が女の子で「あなた」が男の子という前提で読み解いていくと*1、男の子になんか悲しい出来事が起きて、それを横で見守っている女の子の歌…ということになると思います。
じゃあその「悲しみ」は何なのか? 失恋? 身内の不幸? 落第決定? リストラ?


そこで鍵になってくるのが、「映画で見たセシルのように嘘は言いたくない」という一節です。
映画で(そして原作で)セシルがついた嘘…それは、自分の父親の元恋人に言った、「パパはまだあなたのことを好きなのよ」というものでした。
そこからちょっとこじつけっぽく想像すると、この「セシル」の歌詞は、ようは男の子が誰かに振られたばかりで、(セシルのように)「まだあなたのことを好きなのよ」という嘘の慰めはしたくない…ということでしょうか? なんかしっくりこないけどなあ。
しかも「私」は、失恋の心の隙間を狙っていることになるのです。「恋は楽しいときより悲しいときにそっと始まったほうが長く続くね」だなんて、ちょっと図々しいにも程がありませんか??


うーむ…ようわからん。どなたか納得いく解釈を教えてください!

*1:「私」が女の子で「あなた」も女の子だと考えると、割とすんなり腑に落ちる部分もあるのですが…それは留保しておきましょう。