「高津湯豆腐」

豆腐百珍』という本がある。今から200年以上前の江戸時代、天明二年(1782年)に発行された料理書で、その名のとおり豆腐を使った料理が100品紹介されている*1


豆腐百珍 (とんぼの本)
その書物をもとに、すべての料理を再現してみた…というのがこちらの本。もちろん細かい調理法が書いてなかったところは適当に補ったりしているので、完全に当時の味なり見た目なりであるわけではない。


豆腐好きの私は、この本を買ってグラビアとして数々の豆腐料理を眺め、一人でニヤニヤと悦に入っていたのだが、つれあいが「100品を順に作ってやろう」と言ってくれた。何品目まで続くかわからないが、作ってくれたものは写真に撮って記録してあげようと思う。


今夜はその1品目、「高津湯豆腐(こうづゆどうふ)」を作ってくれた。

<作り方>
高津湯豆腐

  • 四半分に切った豆腐を湯豆腐の要領で温める
  • 出汁に醤油と味醂を入れて味を調え、葛をひき「あん」を作る
  • 形が崩れないよう湯から豆腐をあげ、水気を切り、器に入れる
  • 「あん」を豆腐の上から静かにかけ、豆腐の中央に辛子をのせる

いたってシンプルなレシピ。『豆腐百珍』の中でも、「尋常品」というカテゴリで紹介されている。
シンプルなだけに、お出汁はきちんとしたものが必要だと思う。私は薄味が好きなので、薄めで作ってもらった。そこに辛子(市販のチューブのやつ)がツーンときいて、大変美味しゅうございました。

*1:興味を持たれた方は、上で紹介している本か、こちらのサイトをご覧あれ。→http://www.tofu-ya.com/t-hyakuchin/h-subete.htm 「絶品」カテゴリで紹介されている「雪消飯」と「湯やっこ」、このへんに豆腐料理の真髄を感じますね