エレクトロキューショニスト急逝

凱旋門賞に出走する可能性もあったエレクトロキューショニストが9日に心臓発作で急死したという。
同馬は「良いものはいくら出しても手に入れる」ドバイの王族により今年に入って買い取られた馬で、完全にドバイのチームの世界戦略に組み込まれた、いわゆる「レールに乗った」馬だった。
芝・ダートともにG1レースを勝っており、当然引退後の種牡馬としての活躍も期待されていただろう。
また同馬は、昨年のチャンピオンステークス(英G1)でゼンノロブロイを、今年7月のキングジョージ&クイーンエリザベス・ダイアモンドステークスでハーツクライを破った(先着した)ことにより、「日本馬キラー」的なレッテルも貼られていた。
日本の一競馬ファンとしては日本馬との再戦も見たかっただけに、余計に残念に思う。


さて世間ではディープインパクト凱旋門賞(仏G1)挑戦に向けて盛り上がってきているようだが、その凱旋門賞でディープのライバルになると目されていたハリケーンランが、先日行われた前哨戦のフォア賞(仏G1)で、これも同じくライバル視されているシロッコの2着に敗れた。しかしまあクビ差とのことなので、2頭とも順調に来ていると見るべきか。
少し驚いたのは、さらにクビ差で牝馬のプライドが3着になったこと。日本のダンスインザムードといい、最近の一線級牝馬は、牡馬に混じって長く活躍する傾向にあるようだ。


凱旋門賞の前哨戦では、本番と同じコース・距離のニエル賞(仏G2)を、レイルリンクが快勝。この馬はロンシャンの2,400mをこれで3連勝で、勢いが怖い一頭。
そして同じくロンシャン芝2,400mのヴェルメイユ賞(仏G1)を勝ったのはマンデシャという馬(こちらも牝馬)で、なんとシロッコレイルリンク、マンデシャの3頭ともに鞍上はスミヨン騎手だったというのだから…ここのところの(本国での)スミヨンの活躍ぶりには、目を見張るものがある。
本番ではどの馬に乗るのだろうか? 格で言えばシロッコだろうが、勢いはレイルリンク


ハリケーンランと同厩舎の3歳馬ディラントーマスアイリッシュ・チャンピオンステークス(愛G1)を快勝したようだが(ここでも2着は牝馬ウィジャボード!)、同馬はハリケーンラン凱旋門賞に出走する場合は、ここを使わずにブリーダーズカップ(米G1)に直行するそうだ。とことん直接対決を先延ばしするのか。