ジャパンカップ

東京競馬場で行われた第26回ジャパンカップで、ディープインパクトが1着となった。これでGI6勝目ということで、口取りではオーナーの金子氏と武豊騎手の共同による「6冠」のサインが見られたようだ。
レースに出走した馬の顔ぶれや意外と遅かったタイムなどはさておいて、ファンや関係者にとっては、ここ1ヶ月ほどモヤモヤとしていた気持ちが吹っ切れる快勝だったのではないだろうか。
ただこのレースを見ていた私は、何故かそれほど感動もしなかったし、別にモヤモヤが解消されもしなかった。この馬はいつも同じレースぶりなので、私の中ではこうして勝つのが当たり前になっているような気がする。競馬のレースの見方としては、これはよくないことだと思う。


ディープインパクトについては、ご案内のとおり10月1日にフランスで行われた凱旋門賞で3位に入線しながら、後日その検体から禁止薬物イプラトロピウム*1が検出され、失格となっていた。
これは一部で誤解を受けていたようなドーピングでも何でもなく、レース時に体内に自然物以外の物質が滞留していることを禁ずるフランスの競馬ルールに触れただけの、治療薬の投与ミスということだったようだ。
なぜそんなミスが生じたのかは人為的な問題であって、すでに管理責任者である調教師への罰金ということで処分が決定している。


ところでこの問題が明らかになったときに、「馬に罪はない」という声も聞かれたが、勝手に罪を着せるのも無罪だと主張するのも人間なのだから、これは変な言い方だ思う。「意味もなく殴ろうとしたけどやめてあげよう」と言っているようなものではないか。
英雄視するのも罪人の烙印を押すのも、みんな人間のやることなのだ。

*1:主に喘息の治療に用いられる、気管支を拡張させる働きのある薬品とのこと