「TRANS youth ver.」

会社を退けてから新宿の紀伊國屋ホールで、鴻上尚史の「トランス」を見る。1993年初演の芝居だが、今回は20代のキャストによる「youth ver.」と、30代のキャストによる「elder ver.」に分けての再演。
今日見たyouth ver.のほうは、高橋一生すほうれいこ瀬川亮による3人芝居。


高校時代の仲良しだった3人が久しぶりに出会う。一人はオカマに、一人は精神科医になっており、もう一人は精神を病んでいた。その治療の様子がときにコミカルに描かれるが、終盤で3人それぞれが精神を病んでいることが明らかになる。…いったい「本当の自分」とは何なのか?


3人が入れかわり立ちかわり「分析者」になる脚本や、ダジャレ「天皇三部作」などのギャグ。なかなか面白かった。
でも今日が初演だったのもあってか、割とセリフが噛み噛みだった。もう少し演技が練られれば安心して見ていられたかも。あえて言えば3人の中では、すほうれいこさんの芝居がちょっとマッチしてなかったと思う。分析者の演技と、被分析者のときの演技で、落差があまり感じられなかった。きれいでかなり好みだけど。
さらにあえて言えば、この脚本は舞台よりも映画に向いていると思う。カメラワークを取り入れたほうが、よりサスペンスが際立つのではないだろうか。