「サマータイムマシン・ブルース」

サマータイムマシン・ブルース スタンダード・エディション (初回生産限定価格) [DVD]
ちょっと前にBSフジでやっていたのを、録画で。
以前、この映画の原作となった劇団「ヨーロッパ企画」のお芝居を見に行ったことがあって*1、そのときに「間もなく映画版も公開」と宣伝をしていたので、いつか見て比較してみようと思っていた。


タイムマシンものをやるにあたって、当然お芝居のほうが映画よりも制約が多い。
舞台だと時間をさかのぼった自分と今の自分の2人が同時に出せなかったり、時間旅行の場面転換が難しかったりするが、映画ならカットバックやフラッシュバック、それにCGを使えばなんとでもなる。
舞台版の魅力は、その制約を逆手にとって時間旅行を巧みに表現しきったところだった。
それに対し、今回見た映画版では制約が少ない分、複線の込み入ったストーリーを、優しく観客にわからせるような気配りがなされていた、そこがよかった。例を一つ挙げるなら、舞台版ではあいまいだった「最初にタイムマシンのアイデアを思いついたのは誰なのか?」が、映画版ではきちんと無理なく説明されていた。そこだけでも非常に感心した。


時間が止まったような田舎*2の大学キャンパスでの、非常にゆる〜い学生たちの日常生活。そのユルユルの空気がうまく表現されていて、こんな学生生活を送ったことのある人なんかは、「またあの頃に戻りたい」とノスタルジーを感じるのではないだろうか?
個人的には「時間旅行を舞台上でどう表現するの?」とハラハラさせられた舞台版のほうがスリルに満ちていて面白かったと思うが、ユルさで勝負してきた映画版も、これはこれでなかなか。

*1:2005年8月22日の日記参照。

*2:最近の日本映画に多い、香川県ロケ。丸亀市とか。