ドキュメンタリー2本

溜まっている録画番組を消化する日。今日見た中で印象に残った2本。

塀の中の“自由”〜アフガニスタンの女性刑務所〜
イスラム色が強まっているアフガニスタンでは、女性は外出時に全身を覆うブルカを着用している。しかし、女性だけの刑務所でその必要はない。厳格なイスラム規律の象徴であるブルカを脱いだ服役囚たちは、自分を支配する男性と社会全体から解放されてより自由な生活を送っているようにさえ見える。

不本意な結婚から逃げ出して禁錮数年から十数年、それでも塀の中のほうがマシだと言っている女性が出てきた。刑務所長が「無学で選択の余地がないから悲劇が起きる」みたいなことを言ってたけど。
…それにしても、刑務所の入口でブルカをすっぽりかぶったままで身元照会してたけど、あんなの容易に変装できそう。なんせ顔も見えないから、男が入ってても分からないのではないか…?

ワーグナーユダヤ人のわたし 前編後編
イギリスの著名な番組プレゼンターで作家のスティーブン・フライはワーグナーの音楽に魅了されてきた。だが同時に、家族をホロコーストで亡くしている彼にとって、ヒトラーワーグナーを深く信奉していたという事実が心に刺さったトゲとなっていた。フライはワーグナーの足跡をたどり、偉大な音楽と反ユダヤ主義という相入れない事実に折り合いをつけようと試みる。

ワーグナーを愛好する*1ユダヤ系…というのは非常に興味深かった。今年はワーグナー生誕200年にあたるらしく、それを記念して「罪」の部分だけでなく「功」の部分にもスポットライトを当てるような回顧の機会が訪れているようだ。ワーグナーは音楽の世界にさまざまな革新をもたらしたそうで、たとえば客席に背を向けてオーケストラに向かって指揮をとりはじめたのも、彼が最初らしい。
あと、ドキュメンタリーの内容には関係ないけど、今日においては、演奏中の楽譜はタブレット端末で表示するのが普通なのかと感心した。確かにかさばらないし良いだろうね。

*1:ちなみにワーグナー愛好家のことを「ワグネリアン」と呼ぶ。