『夜行快速(ムーンライト)えちご殺人事件』

夜行快速(ムーンライト)えちご殺人事件 (ノン・ノベル)
中越地震(2004年)直後の長岡を舞台にした悲劇。仮設住宅、養鯉業、放棄された山村…ややとってつけた感のあるモチーフが並ぶが、作者なりに被災地を応援したいという気持ちはあったのだろう。
それにしても、新宿を23時過ぎに出て新潟に明け方に着く「夜行快速ムーンライトえちご」って…。そんなマニアックな快速に乗って帰郷せずとも、普通に翌朝の新幹線に乗るか、夜行バスに乗ればいいのに。あと、たかだか1000万円を奪うために、4人がかりで大人一人を誘拐するなんて、そんなことあり得るだろうかと疑問に思った。


仕事で忙しくて考えるべきことが多い時でも、西村京太郎作品は何も考えなくても解決という終着駅に連れて行ってくれるから、素敵だ。それにしても犠牲者や容疑者の住所に「世田谷区太子堂」という地名が多用されているのが気にはなる。その辺にお住まいがあったのだろうか?(現在は京都在住)