小室チルドレン

既報のとおり小室哲哉が詐欺の疑いで逮捕された。
一時は長者番付の常連だったはずなのに、何故…という感じだが、こうなると「盛者必衰」とばかりに手のひらを返したように悪口を書き立てるのが、日本のメディアの特性。そしてそれに答えるべく、かつては彼の財力に群がっていた関係者たちが、あることないこと言いはじめるわけだ。
それはそれで下世話な面白さはあるけれど、小室世代ど真ん中の私としては、彼に受けた恩を簡単には忘れたくはない(持ってる音源はほとんどレンタルしたものだけど)。
そんな小室チルドレンの私が、「いまだからこそ聞きたい小室作品フェイバリット」を選ぼうと思い立ち、報道されている「小室作品806曲」の全リストを見られないかと調べまわったのだが、なかなかリストそのものは見付からず(これから出てくるかもしれない)、しょうがないので御本尊のJASRAC作品データベース検索で「権利者名」のボックスに彼の名前を入れて検索をしてみた。ヒットしたのは836件で、この中には著作者(作曲者)が小室哲哉以外の作品もいくつかあるので、まあこれがほぼ「806曲」とイコールと考えていいのだろう。
ザッと目を通すと印象よりも意外と曲数が少ないのに驚くが、あれだけの売れっ子だっただけに、曲を提供しているアーティストの中には初期の渡辺美里中山美穂堀ちえみ沢口靖子観月ありさ内田有紀宮沢りえ牧瀬里穂などに加え、中森明菜郷ひろみ甲斐よしひろ大木こだま・ひびきBackstreet Boysなんて名前も見られて興味深い。


さてそのリストを参考に自分のiTunesを調べてみると、私は小室哲哉の作品を100曲ちょっと持っていた(まあよく持っていたほうではないだろうか)。それらを聞き返しながら苦心して選び抜いたモストフェイバリットは以下の5曲。


hitomi/「Candy Girl」
援助交際とか女子高生とかコギャルとか、そういうムーブメントや時代の精神を全て1曲の中で表した、これは結構すごい曲だと思う。ちなみにCDでは多分hitomiの声にエフェクトをかけて(回転数を早めて?)、若っぽい声にしているのもポイント。
「♪私は世界中でたったひとり前向きだよ もっと楽に生きていきたい」


TMN/「Still Love Her」
この曲の中で歌われている街って、多分ロンドンなんだと勝手に思っているのだが、TK氏とUKの関わりは割と深くて、ハウスやリミックス、レイブ、ガレージ、ジャングル、トランスなどなど彼の音楽活動に常に刺激を与えてきたのは、明らかにアメリカではなくイングランド
今でも覚えているのは、ちょうどこの曲がアニメ「シティハンター」のエンディングに使われていた頃、FMラジオの番組でUK帰りのTK氏が、ハウスミュージックやリミックスという音楽手法について得々と語っていたこと。その頃は何言ってるのか意味分からなかったけど、今では彼が導入したどの音楽ジャンルも超ポピュラー化(と同時に陳腐化)してしまっているのは、考えてみれば凄いこと。


華原朋美/「Love Brace」
いま聞くと感慨深い。この頃は本当にラブラブだったのにね。
通勤電車内でウトウトしながらiPodを聞いていて、シャッフルでこの曲がかかり、「何だこの下手な歌」と思って目が覚めたという記憶がある。


TRF/「Boy Meets Girl」
この多幸感こそがTKの曲のいいところだと思う。
「♪あなたと過ごした日は 20世紀で最高の出来事」


Globe/「Faces Places」
この曲については2007年4月12日の日記でさんざん書いたところ。なので詳細はそちらを参照していただくとして、何と言ってもKEIKO a.k.a.KCOの金切り声が聞き所。ほんとTKはこういう声が好きなんだなあ。