茄子とピーマンの鍋しぎ
「鍋しぎ(なべしぎ)」という料理がある。一口大に切ったナスを軽く炒め、味噌や酒などを絡めたもので、酒飲みの私はこれが大好きなのだが、まず第一に、居酒屋のつき出しなどで出てくるこの料理が何という名前なのか、長らく知らなかった。そして第二に、結婚してからつれあいに「なべしぎ」という名前だと教えてもらったのだが、その由来は彼女も知らなかった。
で、困ったときのネット検索で解決。ほんと検索エンジン*1って便利だな〜。
「なべしぎ」とは「鍋で調理する(簡略化された)しぎ焼き」という意味で、その「しぎ」というのは、田や川などの水辺に住む鳥で昔は食用にされていた「シギ(鴫)」のことだとか。
で、ナスを焼いて味噌を絡めたものを何故「しぎ焼き」というかについては諸説あるようで、
- シギの肉を、中身をくりぬいたナスに入れて味噌をつけ焼いて食べた「鴫壷焼」という料理から「鴫焼き」となり、鴫肉が使われなくなってナスだけになってからも料理の名前に残った
- 切り取ったナスのヘタの部分がシギの頭部に似ていることから、「鴫焼き」の名前がついた
などがその主なもの。
いずれにせよ、かなり古くからものの本に名前が出てきて、江戸時代には現在の形になっていたという、相当古い日本料理のようだ。
400年の歴史に思いをはせながら、今宵は手づから作った鍋しぎをあてに、ゆるりと一献傾けようか(大げさ)。