スプリンターズSと凱旋門賞

今日は国内外で興味深い競馬のレースがふたつ行われた。
一つは日本のスプリンターズS、もう一つはフランスの凱旋門賞である。


まず、中山競馬場で行われたスプリンターズS。オーストラリアから来たテイクオーバーターゲットが優勝。
レースはテイクオーバーターゲット自らが先手を奪い、ペースを作ってなおかつ最後には他馬を引き離し、見事に勝ったものだった。同馬は日本を含む4カ国のスプリント戦をポイント制でシリーズ化した「グローバル・スプリント・チャレンジ」において、すでに優勝を決めての来日であり、日本でもその強さを見せつけたことになる。
テイクオーバーターゲットはこれでシリーズ4か国中、豪・英・日の3カ国を走り、それぞれで優秀な成績を上げた。
昨年の同シリーズ優勝馬サイレントウィットネス(今年もスプリンターズSに参戦し4着)もそうだが、世界的に見て短距離馬は好不調の波が比較的小さく、ピークが長く続く傾向にあるようだ。


一方、2400m(1マイル半)という競馬の根幹距離で競うヨーロッパ伝統の一戦凱旋門賞。日本の最強馬と言われる、昨年の3冠馬ディープインパクトが参戦したことで、各マスコミでも大きく取り上げられていた。
戦前の下馬評で「三強」と称されていたハリケーンランシロッコディープインパクトの3頭だが、シロッコは見せ場無く最下位。ハリケーンランは勝負どころで脚を封じ込められたのが響いて4着。そして我らがディープも、直線で一旦は先頭に立ったものの斤量差のある三歳馬レイルリンク牝馬プライドにかわされ、3着に終わった。
ご案内のとおり凱旋門賞は三歳馬と古馬とのハンデ差が大きく、三歳馬に有利なレースと言われている。実際、今年のレースも三歳馬、牝馬と斤量が軽い順に上位に来ている。

もともと武豊騎手はゴリゴリ馬を追うタイプの騎手でないとは言え、レース映像を何度も見ていると、最後の最後での競り合いが…イマイチ弱いように思える。もちろん、ディープインパクト自身、これまでこんな「最後に競り合う」というレースをほとんどしたことが無かったのだが…。


2つのレースを見て思ったのは、短距離路線のベテラン勢の息の長い活躍ぶりにひきかえ、中距離路線で長期政権を築くことの困難さ。
もっとも、これはひとつには、中距離路線の勝ち馬は種牡馬として人気が出るため、ピークを過ぎる前にさっさと引退してしまうケースが多い…ということもあるのだろうが。