out of nowhere
森田童子の「ぼくたちの失敗」という歌があった。ドラマ「高校教師」の主題歌に使われた、「♪は〜るの〜 木漏れ日の〜 なかで〜」という歌い出しの、あの歌だ。
その歌詞に
僕がひとりになった 部屋にきみの好きな
チャーリー・パーカー見つけたよ 僕を忘れたかな
という一節がある。
この「チャーリーパーカー」を、ドラマ放映当時の私は「スヌーピーのチャーリー・ブラウンか誰かがいつも着ているようなパーカー」のことだと思っていた(そんなのがあるのかどうか知らないが)。それを彼女が部屋に置いたまま出て行った…という話だと思ったのだ。我ながらアホである。
これは当然そんな服の話などではなく、別れた恋人が好きだったチャーリー・パーカーのレコードを見つけて、彼女のことをしんみり思い出した…という挿話である。
私が「bird」ことチャーリー・パーカーのサックスの音色を初めて聞いたのは、二十歳を過ぎてからのことだった。
…という話を今朝通勤電車の中でふと思い出した(It came out of nowhere)。
ダメになった僕を見て 君もびっくりしただろう
あの子はまだ元気かい 昔の話だね
(「ぼくたちの失敗」より)