言葉の力

「内田樹の研究室」2月13日のエントリで知ったのだが、約10年ぶりに全面改定となる次期学習指導要領の柱となるのは、「言葉の力」だという。「ゆとり教育」の考え方は、事実上消え去ることになるとか。

参考:asahi.com「学習指導要領、「言葉の力」柱に全面改訂へ 文科省原案」
http://www.asahi.com/life/update/0209/003.html

学力の「二極化」を解消するために「日本語」の能力を向上すべく、「声に出して」読んだり暗記したり要約したり…などという言い回しが、ここ最近のベストセラー本的でちょっとアレなのだが、驚くような新発想が文部科学省から出されるなんてことは有り得ないので、まあしょうがないか。
まさにアレらのベストセラー本をお読みになっていた方々が、考え出したものなのだろう。


…とチクリと皮肉を言いたくなるほど、「遅きに失する」方向転換ぶりだと思う。しかし、論理的思考は言葉を使って行うものだから、そこを鍛えようという方向性自体には賛成。

…原案は「言葉は、確かな学力を形成するための基盤。他者を理解し、自分を表現し、社会と対話するための手段で、知的活動や感性・情緒の基盤となる」と説明している。
(上記記事より引用)

でもちょっと気を付けたいのは、古今東西の歴史を省みると、「母国語を大事にしよう!」的な動きは、ともすると過剰なナショナリズムの初期症状になりかねないということ。
日本語それ自体の教育に終始するのではなく、あくまで日本語の使い方の教育であって欲しいと思う。