「華氏911」

見てきました。内容とかは既に知っていることもあり、漏れ聞いたこともありで、「ふーん」って感じだったというのが素直な感想。ポイントを要約すると、以下のようになるかと。

  1. 2000年の大統領選挙の疑惑は払拭されていない
  2. ブッシュは9.11までは全然仕事をしてなかった(ので初動が遅れた)
  3. その後の施策はブッシュ周辺の思惑が絡んだ恣意的なものである(石油利権がらみ)
  4. 善良な市民たちがイラクへ派兵されているが歌い文句と現実は程遠い
  5. こうした一連の事実を米メディアは報道しない

いずれも知識としては持ってる情報ですが、こうやって編集されて音楽とシニカルなナレーションを付けられた映像で見ると、アレですね、けっこう洗脳されますね(あえて言うと)。まあムーア監督の姿勢を見習うなら、この映画自体も「話8割」くらいで見ておいたほうがいいのかも。残りの1.5割は自分の判断。あとの0.5割はブッシュ擁護派の意見。
一番印象に残ったのは、我が子に職能と将来の希望を与えようと軍隊に志願させ、イラクでその息子を失った、低所得者地域に住むライラという女性。
ホワイトハウスの前の市民公園を訪れ、そこで反戦活動を行っていた老女と会話していたところへ、通りすがりのオバハンが。オバハンは、政府の言うことをほぼ妄信してて、反戦活動をしていた人を「あんなのはカメラの前のポーズよ!」と切り捨てるわけです。「でも私は実際にイラクで息子を失ったのよ!」とライラが反論すると、「大勢の人が死んでるじゃない」と意味不明な言葉が。
ライラの「アメリカ人がこんなに馬鹿だとは思わなかったわ…」という嘆き。

結構、アレなんですよね、情報が氾濫しているようで、実は我々は何も賢くなってないんじゃないかと。そんなふうに思いました。