暗いきもちになりました。

内田春菊さんの「もんもんシティー」という本を読みました。内田さんがいろんな風俗店に行って感じたことを書く第一部、街でいろいろ声を掛けられた(いわゆるキャッチですね)ことについての体験を書いた第二部、そしてその他もろもろ常識からズレてるのではないかと思ったことについて書いた第三部。内容自体はまあ、、、都会の風俗とかセールスとかって、手を変え品を変えで日進月歩のようでいて、10年以上前のお話なのに、なんか今と変わらないなあっていうか。底流は。
内田さんのエッセイって、何が好きかってその語り口ですね。妙に丁寧な言葉で書いてあって、それは多分ちょっと緊張して書いているからなのかなあと思うのですが、その遠慮具合(?)が面白い。この本の文庫版解説で吉田戦車さんも触れておりますが、内田氏の「ちょっと暗いきもちになりました。」という言い回し(他のエッセイでも多用)が私は非常に好きで、一時使いまくっていたこともありました(笑)。微妙に切なくてかわいいんですよね。
「きもち」とか、微妙な平仮名遣いもハッとしてグッと来るンだよなー。