『数式を使わないデータマイニング入門 隠れた法則を発見する』

タイトルを見て勘違いして図書館で借りてきた。「数式を使わない」のは「データマイニング」にかかるのではなく、「入門」にかかっていたのか。
昔仕事の関係でデータマイニングを勉強したことがあって、その時は大量のデータを処理する術（外注）もあったのだが、今の職場ではそういう術も予算もないので、似たような成果を自力で何とかできないだろうかと思って、簡便で実践的なデータ処理の方法がないか探していたのだ。…まあ、そんなやり方があればみんなとっくにやってますわな。
ということで本書は、既にある程度の知識を持っていた私からしたら、非常に中途半端な入門書だった。「データマイニングを過信・妄信するな」というくだりは、有意義だったと思うが。後半は何故か個人情報が氾濫する監視社会について警鐘を鳴らす話になっていたが、これは蛇足に思えた。
あと、筆者（大学の先生らしい）がマイニング処理の例にあげるデータが、「最初のデートでメイド喫茶に誘うと失敗する」とか「ガンダムのモビルスーツをクラスタ分けする」とか、まあいいんだけど明らかに偏っていて悪乗りしているのが少し気になった。