『マイルス・デイヴィスとは誰か 「ジャズの帝王」を巡る21人』
各界のタレント21人との関わりからマイルス・デイヴィスを読み解いていく。整形外科医にしてジャズジャーナリストの小川隆夫氏と、芥川賞作家の平野啓一郎氏*1による共著。
21人のなかにはチャーリー・パーカーやディジー・ガレスピーといった「師匠」や、ジョン・コルトレーン、ビル・エヴァンス、ハービー・ハンコックら「同僚」はもちろんのこと、影響を与え合った存在としてジミ・ヘンドリックスやマイケル・ジャクソン、プリンスなども取り上げられていて、まあ手堅い人選といえるだろう。
しかし、新書のこのボリュームで21人は、ちょっと多過ぎのように思う。21人じゃなくて12人くらいに絞って、一人あたりの記述をもっと増やして欲しかった。各人とマイルスとの関係がサーッとさらってあるだけで、とくに目新しいことが書いてあるわけでもないし、「あれ? もう終わり?」という感じで物足りないのだ。
まあそれが新書らしさといえばそうなのだが…。
*1:私と同い年