「NANA」

NANA -ナナ- スタンダード・エディション [DVD]
一時期漫喫によく行っていたときに、第1巻から順番に「NANA」と「デスノート」と「取締役島耕作」を平行して読んでいたことがあった。
それで前の2つの映画化がほぼ同時期に決定して、「もしかして島耕作も?!」と構えていたが、ついぞそんな話は聞かれない*1
ともあれ、そんな漫喫通いの日々もいつしか終わり、3つのマンガも途中まで読み進んでそのままになってしまっている。島耕作は常務になってからは「モーニング」誌の連載を読んでいるが…。


で、映画になった「NANA」をようやく見てみたら、ちょうど私が読んでいたところあたりまでで終わっていた。これはまだ最初のほうだと思うけど。ナナがここから成り上がっていけるのかどうかが知りたい。本作では、単なる寂しがりやで終わっている。「NANA2」を見ないといけないかな。
そんなに熱心な読者ではないけれど、私の見るところではマンガとそっくりの世界をうまく再現していて、頑張っていたと思う。現実ではありえないキャラクターをそのまま実写にしていて、それでいて現実世界で浮いた感じになっていなかった。
美大や音楽業界など小洒落た舞台設定ながら、その実は人間関係の劇なのだ。
ちなみに原作で一番好きなキャラクター、奈々の友人の淳子と京助のカップルも割とイメージどおりだったが、単行本の巻末にあるおまけマンガ「淳子の部屋」、あれの再現をして欲しかったな…映画のメイキングか何かで。


ナナがハチに対して「ハチ、なに傍観してんだよ、てめぇのケンカだろ!」と言う場面があったが、「傍観する」という動詞をこんなふうに日常生活で使っているのを聞いたのは初めてだ…。

少しも大人になんかなれないのに、もう甘えてなんかいられない現実の中で、ナナはとびきり甘い夢を見させてくれた。とても幸福な、初恋みたいだったよ。

そりゃそうだろう。こんな話、現実には到底ありえない。

*1:確か昔、田原俊彦島耕作役でドラマもしくは映画になっていたと思うが…。