『問題な日本語』

問題な日本語―どこがおかしい?何がおかしい?
「売れている」というのは知っていたのですが、どうせ軽佻な内容の本だろ?くらいに考えて読んでませんでした。しかし昨日、友人に貸してもらったので読んでみたところ、これがなかなかオモロい。

  • こちら〜になります
  • 全然いい
  • よろしかったでしょうか
  • っていうか
  • 〜のほうをお持ちしました
  • 私って〜じゃないですか
  • みたいな
  • なにげに
  • きもい・きしょい・うざい
  • これってどうよ
  • わたし的には

…などなど。

まあ昨今いろいろ言われている言葉ばかりですが、正誤や正しい用法に加えて、それぞれの語句の成り立ちや今後の展望などについても触れられていたのが、おもしろかったです。


誤用というか、正しい日本語ではない言葉でも、「正しくない」とわかって使ってる分には、「全然いい」んじゃないでしょうか。
方言は「住んでいるエリア別の日本語」ですが、同じように「年代別に流布している日本語」とか、「あるメディアだけで流通している日本語」とか、「ある業界だけで使われる日本語」とかいろいろあって、なおかつ「じゃあほんとは何が正しいの?」という物差しとしての「正しい日本語」があって。それが健全で文化的なことばのあり方だと思います。
しかし最近は、その規範である「正しい日本語」を知らない人が増えてるんですよねー。アリウープから入ってレイアップを練習しない、みたいな人*1。「こんにちわ」とか「でわでわ」とか「ふいんき」とか書いてる人がいると、それだけでげんなり。
で、そういう人の日本語が、すぐに活字になっちゃう。作家になるのも割と簡単になってきたし、なにより今はネットがあるから。活字になると影響大きいですから、これはマズイと思います。


ただ最後まで読んでわかったのですが、この本って何のことはない、大修館書店の『明鏡国語辞典』という辞書の宣伝だったのですね…(笑)。


ちなみに「わたし的に」問題な日本語をあげると、たとえば

  • 〜とか
  • 一番最初
  • 要○○
  • よさげ

なんていうのがありますかね。
そもそもこの日記のタイトルも「太陽の塔とか」なんてふざけた名前なのですが、本来「〜とか」っていうのは、「AとかBとか」といった具合に、複数の候補を出す語のはずですよね。それが最近はサンプルをひとつしか出さないのに「とか」って平気で付ける人が多いじゃないですか。
あれ、楽なんですけどねー。正しくはないですね。

*1:「応用から入って基本をなおざりにしている人」の意味です。奇をてらってみただけですので、気にしないでください。