『美少年』
ブクオフ100円コーナーで発掘。団鬼六×美少年…もうタイトルからして猥褻でクラクラします。宇野亜喜良氏のカバー画も淫靡。
私小説の形をとった短編3本と、ロマンポルノの女王・谷ナオミさんの半生を描いたエッセイ1本を収録。
私小説のほうは、「でもこれってどこまで事実でどこからが創作なんだろう?」と詮索してみたくなる、めくるめく官能の世界。なんていうか、他人のとてつもない秘密を盗み見たようで、慄きながらも興奮してしまうのです。なおかつ日本語がとても綺麗。渡辺文学*1とやらにも、この爪の垢でも煎じて飲ませたいですわ、ほんと。
谷ナオミさんについてはほとんど存じ上げないのですが、鬼六氏とたこ八郎さん*2、篠山紀信さん*3、渥美清さん*4らとの交流も織り交ぜながら、ロマンポルノ黎明期のことなんかが描かれていて、なかなか面白かったです。