「グランド・マスター」

ウォン・カーウァイの「グランド・マスター」を見てきた。中国のみんなは力を合わせて行こう、という話と見受けた。しかしそれなら葉問が主人公の話でなくてもよかったと思う。むしろ史実に縛られていた分、何だかよく分からない話になっていた。最も魅力的だった場面は、トニー・レオンチャン・ツィイーの危うげな恋愛模様の部分…何がやりたかったのやら。
私の中では、チャン・ツィイーの役柄は現代中国のミーイズムを表していて、親日的な旧体制を倒したまでは良かったんだけど、目的を見失い、技を継ぐものも残せなかった…と、そういう話だと解釈した。葉問はかなり美化されてはいるが、グローバル化を象徴する人物として描かれていたように思う。