「地下鉄のザジ」

地下鉄のザジ [DVD]
ルイ・マル作品。名前は知っていたのでNHKBSで放映されていたのを録画して見たのだが、こんな実験的な映画だとは知らなかった。
田舎から叔父さんの家へやってきた少女・ザジが、地下鉄がストライキに入ったパリの街で繰り広げるドタバタコメディ…一応そういうお話なのだが、一つの場面でもフィルムがつぎはぎになっていたり、説明が意図的に省略されていたり。シュールレアリスムの世界。
一番凄いと思ったのは、終盤のレストラン破壊シーン。客とギャルソンの殴り合いも面白いのだが、その後憲兵隊(?)の一団が突入してきてからの乱闘は圧巻。キャストもハチャメチャになっている中で、一瞬実際のカメラマンと思われる人間がモッシュ&ダイブしているのが映し出されていたのだ。現実とフィクションの交錯。
それと印象的だったのが、映画の終わり方。迎えに来た母親が「好きだった地下鉄にも乗れないで、一体何をしていたの?」と尋ねたのに対し、ザジちゃんがずばり一言。

「年を取ったわ。」

バツッと切った前髪(作中髪の毛の長さが伸びたり縮んだりしているのはご愛嬌)が印象的なザジちゃんだが、うちの娘もこんな髪型にしようかしらん。


ちなみにザジ役の少女はミレーヌ・ドモンジョさんという名前なのだが、これってヤッターマンのドロンジョ女史と関係があるのかな? …と思って書いたところ、すでにはてなキーワードに「なお、アニメ「ヤッターマン」の悪役美女・ドロンジョは、この女優の名前からのシャレ。」と書いてあった。
ドモンジョさんは、最近では黒木瞳岡田准一の「東京タワー」にも出ていたらしい。