豊饒の1958年・その2

プリンスことプリンス・ロジャーズ・ネルソンは、1958年6月7日にミネソタ州ミネアポリスで生まれた。
1978年、演奏から製作までたった1人で作り上げたアルバム「For You」でデビュー、自伝的映画のサントラでもある「Purple Rain」が全世界で1500万枚のセールスを記録しアカデミー賞歌曲・編曲賞を受賞。実力名声ともにファンク・ロックの第一人者の名を欲しいままにするも、1993年には名前を発音不能なシンボルマークに改名する(現在は元の「Prince」に戻る)など、50歳になった現在もアヴァンギャルドな活動を続けている。
ちなみに私のモスト・フェイヴァリット・アーティスト。


私の印象に残る曲は以下のとおり。YouTubeGoogle Videoではプリンスの動画はアップされるたびに即削除されているので、ムービーは紹介できません。

  • I Would Die 4 U

この人の曲は「I love you」と言えば済むところを、手を変え品を変えエロスとタナトスを織り交ぜた変態的な歌詞にして歌っている曲がほとんど。「あなたのためなら死ねる」というこの曲が、まさにその代表。曲調は非常にポップなのだけれど。
映画「Purple Rain」ではラストの見せ場でこの曲が使われていた。思えばプリンスにはまり出して映画のビデオを繰り返し見ていたのも、もう20年近く昔のこと。

  • Batdance

これはぜひムービーを見てもらいたかった。映画では使われていなかったものの、セリフを細切れにサンプリングしたキャッチーなテーマ曲。ジョーカーとバットマンが珍妙なダンスを繰り広げる変態的なPVは、いま見ても衝撃的。
1989年の映画「バットマン」のサントラをプリンスが担当する…と聞いたときは、正直どうなるのか想像できなかったけど、意外にゴッサムシティのダークなイメージにしっくりきていた。

  • Starfish and Coffee

「Sign o' the Time」は私の最も好きなプリンスのアルバムなのだが、その中でも特に印象的なのがこの曲。「ヒトデとコーヒー」といったエキセントリックな組み合わせが続く歌詞の中味は、気になる転校生のあの子はエイリアンだった…という内容なのだが(?)、隠れたファンも多いらしい。
大学生の頃、大阪城ホールで行われたプリンスのライブを見に行ったことがあって、そのときプリンスが「この曲知ってるかい?」と言いながら「Starfish and Coffee」を歌い出したときは、一人で狂喜乱舞したものである。