ONKALO

NHKBSでちょっと前にやっていた、フィンランドに建造中の核廃棄物最終処理施設「オンカロフィンランド語で“隠し場所”)」についてのドキュメンタリーを録画で見た。
「最終処理」といっても、何か安全な物質に変えるとかそういう話ではなくて、安定した地下岩盤に埋めて放射能がなくなるのを待つ…というだけのもの。それも数十年、数百年単位の話ではなく、数千年、数万年にわたって放置するのを目的とした施設なのだ。

地下深く埋めて搬入口も更地にしてしまう…単純であるだけに、その後地上で何が起きても、つまり、全世界を巻き込む戦争や天変地異が起きて生き残った人類が石器時代に戻ってしまったりしても、人類が滅んで違う生物が文明を築いていたとしても、放射能が無効となる10万年先まで(!)静かに保存しておける、というわけ。
構築に当たった科学者いわく、「むしろ人類の記憶から消し去るくらいのほうが(安定して保存できるので)都合がいい」と。なんと凄まじい…。


実際にこの科学者たちは、この施設に関する記憶が失われた後に、人類あるいは別の生命体がこの施設を発見したとして、「この先には無味無臭だが危険な物質が保管されているから決して開けてはならない」という警告を、記号や絵で工夫して入り口に書いておくつもりらしい。
ボイジャーだったか、地球外生命体へのメッセージを積んで太陽系から遠くの銀河へ向けて飛んでいった人工衛星があったけど、あのメッセージを見たときも「全く違う文明に何らかの意味を伝える困難さ」には感じ入ったものだが…放射能の警告というのも相当困難だと思った。
厳重に封印された遺跡が見つかったら、それを発見するくらいの知的探究心のある生命体なら、絶対その奥にあるものをつきとめようとするに決まっていると思うのだが…?