突然、炎のごとく。

日本史の授業で「火焔土器」または「火焔型土器」というのを習ったことがあると思う。
私も新潟に住むまであれがどこで発掘されたものか意識したことはなかったが、実は現在の新潟県長岡市十日町市津南町あたりの信濃川流域でのみ見られる独特の縄文土器で、今のところ新潟県内にある唯一の国宝なのだそうだ。
その火焔土器の実物が期間限定で公開されていると聞いて、子供たちを連れて新潟市美術館へ行ってきた。
間近で見ると相当大きくて迫力がある。傘立てにちょうどいいくらいのサイズ。火焔に例えられる上部の飾り(?)部分は、見ようによっては何か生物を象っているようにも思えた。取っ手にしては持ちにくそう。
展示の説明を読むと、もともと特異な形状から一部で注目されていた火焔土器だが、世に広まる決定打となったのは岡本太郎の「発見」によるところが大きかったそうだ。太郎氏は火焔土器との出会いから縄文の、引いては日本土着の文様やデザインに没入していくことになった。…そういや前回新潟市美術館を訪ねたのは、岡本太郎の特集をやっていた時だったな*1
ちなみに今回の展示を見て、火焔土器と似た形のもので「王冠型土器」という土器があるというのを初めて知った。「鶏頭(ニワトリのトサカ)」に例えられるギザギザの縁取りがあるのが火焔型土器で、それがないのが王冠型土器ということらしい。


中庭の展示品と戯れる愛息&愛娘。