関内:里葉亭(りばてぃ)

週末に横浜へ出かける用事があったので、この春から横浜勤務になった先輩と合流して焼き鳥を食べに行った。
場所は伊勢佐木モールの裏手、なかなか妖しい雰囲気の福富町にある「里葉亭」というお店。くだんの先輩によると、十数年前までは福富町はもっと猥雑な町だったそうで、当時まだ先代が焼き場に立っていたこのお店も、今よりディープな一角にあったそうだ。
そんなお店で今も昔も変わらず人気なのが、名付けて「鶏のフォワグラ」と称する見事なまでに柔らかいレバーの串。おまかせで食べた中の一品だったので一本いくらなのか分からなかったが、これは大げさに言えばこれまでのレバーの常識を覆す美味で、なおかつ噛んで味わうのが楽しい肉だった。口福。


串を頬張りながら先輩と久闊を叙す中で、一昨年私が育児休暇を取ったときの話に及んだ。先輩いわく、そのことを会社の中で面白くなく思っている人が少なからず存在するらしい。とくに上の方で。
周りがもっと好意的に受け入れてくれるかと思っていた自分もナイーブだったわけだが、それにしてもこれは本当に意外だった。いずれにせよ、今となっては「まあ別に」といった感じである。この先輩はやたらと心配してくれていたけれど。
こういうよしなしごとがあるから、私は誰にでも男性の育児休暇を勧めたりはしない。控えめに言っても、それで会社での自分の立場がプラスになることは少ないからだ。あまつさえ、私のように休業期間が一年間にも及べば、ますます周囲の調整は難しくなる。
ただそういうのはともかくとして、子供とかけがえのない時間が過ごせればこんな良いことは無いでしょう。その事実だけで私は大満足なのだ。これ本音。