『鬼平・梅安食物帳』
図書館で借りてきた。池波正太郎の食に関するエッセイ、とりわけ『鬼平犯科帳』や『藤枝梅安』シリーズにまつわる話を適当にまとめた本。どこかで既に読んだ話もあれば、初めて読む話もあった。
面白かったのは、「忠臣蔵」の大石内蔵助らが吉良屋敷への討ち入り直前にとった食事について、事細かに書かれた部分。
卵といえば、こんなはなしが残っている。
かの〔忠臣蔵〕で有名な大石内蔵助も、討ち入りの夜の腹ごしらえに、生卵を熱い飯にかけて食べているのだ。(中略)
折しも、堀部父子の妻たちは台所へ入り、腹ごしらえのための飯を炊きはじめていたが、そこへ細井広沢が生卵を持って来たので、
「ちょうどよい」
用意した鴨の肉を焙って小さく切ったのへ、つけ汁をかけまわしておき、一方では大鉢へ生卵をたっぷりと割り込み、味をつけたものの中へ、鴨肉ときざんだ葱を入れ、これを炊きたての飯と共に出した。
これは美味しそう。今度やってみたい(討ち入りのあった12月14日あたりに?)。