「スティング」

スティング [DVD]
NHKBSで「ポール・ニューマン追悼」でやっていたのを録画で。私はすでに4回くらい見たことがあったが、つれあいは初めて見たということだった。
1930年代のシカゴを舞台に、ヘンリー・ゴンドルフ(ポール・ニューマン)とジョニー・フッカー(ロバート・レッドフォード)の詐欺師コンビが、親友の仇である大物の金貸しを相手に、競馬のノミ屋を使った大掛かりな罠にはめるという話。
当時は競馬(に限らずあらゆるスポーツ)の中継がラジオ放送だけだったのと、通信手段も限られていたがために、かろうじて綱渡りで成立するトリック。でもこれが成立するのだったら、いくらでもノミ行為の詐欺が行えただろうに…?


何度目かの鑑賞を終えて改めて思ったのは、この映画は衣装がひとつのポイントになっているということ。最初はいかにもチンピラ然とした風体で現れたジョニー・フッカーが、詐欺で巻き上げたお金でまず最初に何をしたかというと、伊達男風のスーツを仕立てに行くのだ。それにノミ屋の引っ掛けも、参加者全員の「いかにも」という風体があってこそ騙し通せるわけだ。
そのあたり、きっと時代背景の影響もあるのだろう。現代劇でここまで服装を描き分けると、かえって嘘臭くなってしまう。