キーワードは「広域」

新潟市の観光関連の専門家と打ち合わせ。
新潟市は市街地から比較的近いところに国際空港があり、ウラジオストクハルビン、ソウル、上海、台湾など極東地域に定期便やチャーター便が飛んでいる。中でもロシアから見ると新潟は一番近い日本の空港なのだそうで、そうした国外の観光客の動向についてレクチャーを受けた。


基本的に新潟の売りは「ゴルフ」と「スキー」とのこと。韓国はいま空前のゴルフ&スキーブームだそうだが、国内にはゴルフ場もスキー場もプレー人口の割に少なくて、とりわけスキー場などはアイスバーンでガリガリの悪コンディションの所しかないのだとか。そういう所でしかプレーしたことのない韓国のゴルファーやスキーヤーが、たとえば湯沢・妙高あたりのゲレンデや胎内近辺のグリーンに出ると、質の良さにビックリするそうだ。
しかし新潟空港利用者で新潟観光をする外国客というのは実は少数派で、ほとんどは新潟から新幹線で東京へ出て成田から帰国したり、あるいは関空から日本に入って京都観光→東海道新幹線→富士山→箱根→秋葉原→ディズニーランド→上越新幹線新潟空港→帰国…といった弾丸ツアーの途中で通過するだけのケースが多いのだとか。
ロシアや中国など、大陸から来た観光客にとっては新潟から東京への移動など「ちょっとした遠出」くらいの感覚なのかもしれない。ロシアからのスキー客などは、新潟空港から湯沢に入って10泊ほどステイする間に、ふらりと東京観光に行ったり、グアムに2泊3日で出かけたりもするそうだ。


ということで、一つの自治体や都道府県単位で外国客を誘致しようと思っても、先方のニーズと全く合致しない…というのが今のところの結論らしい。「広域観光」という言葉が出ていたが、つまりインとアウトの空港が別々のプランを、複数の自治体にまたがって作り上げてプレゼンしていく必要性を感じているそうだ。
とくに新潟は単体での観光ではどうしてもパンチ不足なので、たとえば石川県の小松空港から日本に入って金沢観光のあと加賀屋に宿泊する中国人たちを、なんとか新潟に呼び込めないか…と模索したりもしているとか。