『ケンカ道 その“究極の秘技”を探る』
ブクオフ105円。
「鉄のゲージツ家」のクマさんこと篠原勝之氏が、週刊プレイボーイ誌上で昭和62年頃(?)に連載していた、格闘技界の第一人者たちとの対談集。
60年代から70年代にかけて、自身も新宿でケンカにあけくれていた…というクマさんが、「ケンカ」をキーワードにゲストたちと対談する。
その対談相手のラインナップが割と凄い。
前田日明、シーザー武志、ディック・マードック、芦原英幸、佐山聡、東孝、藤原喜明、大沢昇、上田馬之助、アントニオ猪木、塩田剛三、カール・ゴッチ、大山倍達
今となっては故人となられた方もいて、貴重な記録とも言える…かな?
藤原喜明さんのインタビュー。
──藤原さんが上京してきたのは、高校卒業してからでしょう。やっぱり、岩手にいるときから、プロレスなり格闘技なりやりたいと思ってたの。
いや、そういうんじゃなくて、貧乏が嫌いだったですから……。父や母が一生懸命、朝から晩まで働いても貧乏なんだよね。働いて、働いて、働いても。何でお父さんとお母さんがこんなに一生懸命やってるのに貧乏なんだろうと……。恨んだね。貧乏をものすごく恨んだ。
だから、働いて両親を楽させてやろうと思ったですね。長男だったから。それで上京してきて、サラリーマンになったんです。二年半やったですよ。
当たり前の話だが、昔から「ワーキングプア」は存在したのだ。そういう言葉でカテゴライズしたから、まるで最近になって初めて出てきた社会問題のように思えるのだが。
その藤原さん、こんなことも言っていて笑えた。
──藤原さんは、ロープに振られても走って返ってこないでしょう。あれは今のプロレスのスタイルに対する反逆なの?
いや、走ったって構わないんですけどね、疲れるから、あんなもん走りたくねえやな(笑)。