秋の鎌倉

鏑木清方記念美術館で、「清方と鏡花」と題した二人の関係性についての特集展をやっていると聞いて、紅葉狩りもかねてつれあいと秋の鎌倉へドライブしてきた。

 

鏑木清方氏は無名時代から泉鏡花のファンだったそうで、画家になってから鏡花と会う機会があり、最初から意気投合し、以降鏡花の多くの作品の挿絵や装丁画を担当するようになった。

プライベートでも鏡花は清方を本名の健一から「健ちゃん、健ちゃん」と呼んでかわいがっていたそうだ。

 

下絵と本番の絵が並べて展示してある作品もいくつかあったが、下絵を見ると「本当に絵がうまいなあ」と思うのだが、完成された絵を見ると、何かアンバランスな感じを受ける。とくに下絵ではリアルだった女性の顔が「引目鉤鼻」になっていて、まあそれが日本画なのかもしれないが、ふんわり彩色された日本髪も下絵のほうが生き生きしているのになあ…と感じた。