「男の紋章」

高橋英樹主演の「男の紋章」という昔の日活仁侠映画を見た。ヤクザの跡取り息子なのに医者になった(!)高橋英樹が、いろいろ耐えに耐えて最後はやっぱり男の紋章(a.k.a.刺青)を背なにしょって父の仇を討つという…。
組の番頭みたいな人が、高橋英樹をさとすようにこう言う。

渡世人のわたしがこんなことを言っちゃあ笑われるが、組織ってのは力だ。使いようによっちゃあ悪くもなれば良くもなる」


で、父親も番頭も殺されて、ひとり雨中に番傘を持って立つという…なんというか、仁侠映画で何十回も何百回も繰り返されてきた場面にたどりつく。
敵の組におっとり刀で乗り込んでいきながら、最後まで甘っちょろいことを言っている高橋英樹の台詞が実にふるっていた。

「君たちはこれほど俺が譲歩してもやるというのか」

「仕方なかった、切るつもりはなかったんだよ、お母さん」