『笑い男』はもう語られない

ライ麦畑でつかまえてサリンジャー氏死去
 【ニューヨーク支局】AP通信などは28日、小説「ライ麦畑でつかまえて」などで知られる米国の作家、J・D・サリンジャー氏が米北東部ニューハンプシャー州コーニシュの自宅で死去したと報じた。91歳だった。
 ニューヨーク生まれ。1951年に出版された「ライ麦畑でつかまえて」は、成績が悪いせいで学校を追い出され、ニューヨークをさまよう主人公の心の動きを描いた物語。攻撃的な表現や性に関連した言葉遣いが賛否両論を巻き起こし、ロングセラーとなった。ほかの代表作は「ナイン・ストーリーズ」(53年)「フラニーとゾーイ」(61年)など。
(2010年1月29日03時39分  読売新聞)


「未発表作品が数多く存在しているのではないか」という推測もあるようだけれど、それは永遠に未発表のままにしておくのがいいと思う。
ナイン・ストーリーズ』にある「笑い男」の話は、ああいう形で終わっているからこそ余韻を感じるのだ。同じように“J.D.サリンジャーというお話”も、これでおしまいで良いではないか。