『自分探しが止まらない』

自分探しが止まらない (ソフトバンク新書)
横浜から新潟に帰る新幹線の中で読了。
筆者の速水健朗さんのブログ「犬にかぶらせろ!」*1をいつも読んでいることもあって、ブログより歯切れの悪い文章に、大人の事情とかしがらみとかいろいろあるのかな〜と勝手に想像。


本書の内容は、団塊ジュニア世代に浸透している「自分探し」をキーワードに、そういった心性に若者が陥ってしまう社会的要因を探っている。同時に「自分探し」に没入してしまうことによる弊害や、没入した若者にたかる搾取の構造をいくつか紹介している。
そうした部分はとても面白いのだが、最終的に「自分探しにハマる若者を攻撃しているわけではない」的なあとがきを付け足しているのは、あきらかに蛇足だったと思う。もっと徹頭徹尾自分探しを切り捨てる構成にするか、そうでなければ自分探しブームの創生から現在までを客観的に追っていくだけでよかったのではないか。あるいは自分探しに目覚めた若者の生態をひたすら追ったものでも面白かったかも。

*1:「A面」「B面」の両方読んでます。