「ミリオンダラー・ベイビー」

髪を切った後、映画を見に行った。
端的に言って、この映画でオスカー4つはちょっと多いかなあ。愛すべき作品ではありますが。
イーストウッド演じる老トレーナー・ダンが、マギー(ヒラリー・スワンク)のどこにひかれて愛情を持つようになっていったのか、その辺の描写をもっと掘り下げて欲しかったです。コーチするきっかけ、厳しいトレーニング、あちこちを一緒に転戦するところ、なんかがもっと知りたかったなあ。
まあ最後に明らかになるのですが、これは老トレーナーのスクラップ(モーガン・フリーマン)の回想物語なので、余計なエピソードはスクラップによって省かれているという意味だったのでしょうか。


ちょっと気になったんですが、マギーのボクシングが下手。最初のほうはともかくとして、世界タイトル戦になっても、なんかヒラリー・スワンクの腰が引けてません? 猫パンチよりは全然マシだけど…。女子ボクシングってこんなものなのかしらん?
あと、マーガレット・“フィッツジェラルド”ってくらいだから、彼女がアイルランド系だろうというのは想像できますが、たまたまダンがゲール語(というかイエィツの詩)を勉強していて、それをリングネーム*1にする…なんてのは、都合がよすぎませんか?


でも随所に光る場面があり、泣けたのは確か。
私が一番グッと来たのは、何度出してもダンの元に帰ってくる娘への手紙。ダンが帰宅すると、ドアの隙間から床に押し込んであるんですよねー。それを見たときのダンの表情…。
「Always protect yourself」

*1:「モ・クシュラ」