『滑稽糞尿譚 ウィタ・フンニョアリス』
安岡章太郎・編 ISBN:4167312042
ブクオフ100円コーナーで発掘。
古今東西の「うんこ」に関する小説やエッセイを集めたアンソロジー。ざっと以下のような作品が収められている。
- 「追いかけるUNKO」 吉行淳之介
- 「神聖な糞虫」 北杜夫
- 「厠のいろいろ」 谷崎潤一郎
- 「好色」 芥川龍之介
- 「寝小便に泣く男」 遠藤周作
- 「わが糞尿譚」 安岡章太郎
- 「おべんじょ」 田辺聖子
- 「食事と排泄」 星新一
- 「粉屋の話」 チョーサー
- 「放屁論」 風来山人(平賀源内)
etc.
別にスカトロジーの本というわけではなく、人間が生きるうえで欠かすことのできない「大便」について、古今東西の大家がまじめに、時に滑稽に論じた作品を集めたもの。
作家で仏文学者の山田稔氏が書いている「スウィフト考」という一編では、「ガリバー旅行記」で有名なスウィフトの糞尿嗜好について、またスウィフトを好んで論じた夏目漱石について、それぞれに共通する厭世的な側面に触れながら考察をしており、なかなか興味深かった。これを機に「ガリバー旅行記」を読んでみようか。
ちなみに上の句で「倦んだ」といっているのは、まさにこの本。