「オーシャン・オブ・ファイヤー」

新宿歌舞伎町のミラノ座にて、ヴィゴ・モーテンセン主演でこの春公開予定の映画「オーシャン・オブ・ファイヤー」の試写会があり、仕事の関係で見に行ってきました。
19世紀末から20世紀半ばにかけて実際にアメリカで活躍したカウボーイにしてアメリカ在来種の馬「ムスタング」の保護活動家、フランク・ホプキンスが主人公。アラブの王様に招かれて灼熱の砂漠を3000マイルに渡って馬で横断する過酷なレース「オーシャンオブファイヤー」に参加する、というお話です。
実話に基づいたお話ということで、どうもホプキンス氏が砂漠横断レースに参加して圧勝したことは事実らしいですが、ここまでドラマチックなレースであったかどうかは不明です。
感想を一言で述べると、配給会社さんには悪いのですが「大いなる駄作」でしょうか(笑)。こんなステレオタイプな演出で2時間20分の上映時間は長すぎでしょう。ラストで100頭以上のムスタングがアメリカの平原を走るきれいなカットが流れるのですが、この数分間以外はほんとに冗長すぎてどうでもいいって感じでした(笑)。
演出云々は監督の力量だと思うのでいいのですが、この御時世のアメリカ映画らしい不必要な政治色(?)がどうも鼻につきました。
第一にアラブ人の描き方がほんとステレオタイプである点、第二に安易にアラブ人女性(この場合お姫様)がアメリカ人と恋に落ちる点、第三に勝利したアメリカ人が現地のアラブ人たちに賞賛で迎え入れられる点(なんと「カウボーイ」コールが起こる始末)。この3点って、まさにイラクやアフガンにおけるアメリカ軍を連想させて…。あ、アフガニスタンってアラビアじゃないのでしたっけ?