「ブロークバック・マウンテン」

久々に映画を見に行く。注目の「ブロークバック・マウンテン」を渋谷のシネマライズにて。


結論から言うと…ちょっと期待はずれ。
男(それもアメリカのマッチョイズムの象徴・カウボーイ)どうしの純愛、ということで相当逆風も吹いたようだが*1、まずはそのテーマ設定には一目を置きたい。
しかしよく分からなかったのは、「なぜイニスとジャックは恋に落ちたのか」という点。こういうと語弊があるかもしれないが、イニスが男色ジャックにたぶらかされただけに思えなくもなかった。
「恋愛に理由は無い」といえばそれまで。しかしたとえばこのカップルの片方が女性だったら、これは単なる不倫物語なのでは?
「それが男どうしだったからストーリーとして成り立った」というのなら、別にこれはゲイを擁護するような映画ではなく、ましてや純愛の映画ですらないと思う。逃れられない運命に絡め取られたある人間の苦悩…ということでよいのではないだろうか。ゲイ周辺の世論が騒ぎすぎているようにも思える。


誤解のないように付け足すと、普通に感動というかホロリとは来たんですけどね。前評判から、それ以上のものを期待していたので。

*1:オスカー作品賞を逃したことについて、「審査員にアンチ同性愛の偏見があった」という非難の声も上がったようだ