Chris Brown / She Ain't You


デビュー以来飛ぶ鳥を落とす勢いだったのに、当時付き合っていたRihannaへのDV事件が明るみに出て以来、しばらくはなりを潜めていたクリス・ブラウンだが、今年に入りアルバム「F.A.M.E.」をリリース、ここのところすっかり復活の兆しを見せている。
で、そのアルバムからカットされたシングル「She Ain't You」という曲を最近聴いた。別れた女性をいつまでも引きずっている男が、他の女性と出会っても「でも彼女は君じゃない(She ain't you)」と叫んでいる…リアーナとの事件を誰もが思い浮かべる意味深な歌詞なのだが、それとは別に「これってSWVのパクリじゃん!」と思わずつぶやいてしまった。

女性ボーカルグループSWVの1992年のデビューアルバムに入っていた「Right Here Human Nature Remix」という曲そのままなのである。ちなみにこれは私の大好きな曲で、以前もこの日記で取り上げたことがあった*1
こちらはこちらで別れの不安を感じた(?)女性が、「真実の愛はここ(Right Here)にある」と相手に訴えかける歌。従って「She Ain't You」は、アンサーソングとしては皮肉な内容と言えるだろう。


ところでこのSWVの曲は、「Human Nature Remix」とあるとおり、マイケル・ジャクソンの「Human Nature」を大胆にサンプリングしたもので、今回のクリスの曲も「MJへのトリビュート」という意味合いが強いらしい。

SWVの曲では、マイケルの透き通るハミングが大々的にフィーチャーされていて、そこが何とも言えず心地よかったのだが、クリスの新曲には使われておらず残念である。


そしてさらに事態をややこしくさせ、かつ私のような往年のファンを喜ばせてもいるのは、なんとSWV自身がこの「She Ain't You」をカバー(というかRemixに参加)してしまったのだ。いわば「ご本人登場」というやつである。
こちらにその音源と歌詞があるのだが、調子のいいことを言っているクリス(男性)に対しキツイ言葉をやり返す内容になっていて面白い。