高松:蕎麦切り 涼

所用で高松へ来ている。初香川県
なにもうどん王国へ来てまで…と自分でも思うのだが、生来のひねくれものでもあり、一人旅の夕食は蕎麦と決めているところもあり、何はなくとも蕎麦屋を探すところから高松散策をはじめた。
折りよく宿泊先のホテルで自転車を無料で貸出していたので、ママチャリにまたがり市街をぶらりと。高松の街なかは、歩道と自転車専用道路がよく整備されていて、実に快適にポタリングが楽しめる。
今日明日は「高松城映画上映会」というのをやっていた。演目は今夜が「火天の城」で、明晩が「ONE PIECE」ですと。振り返れば、高松駅 in the dusk。ヨーロッパの始発駅を彷彿とさせるものがあるじゃない。
「リバー書房」なるいかした書肆にて古本をあがない、当たりをつけておいた蕎麦屋のうち「蕎麦切り涼」なる一店舗ののれんをくぐった。
 
まずはおすすめの酒肴セットでビールを。返す刀で冷酒を頼みつつ、板わさを決める。おろしワサビではなくて山葵の茎の漬物が添えられており、これは鼻にツンと来て楽しかった。

〆のせいろ。文句なし。この前に食べた出汁巻き卵もふわふわとして美味だった。
うどんの国で、これだけ蕎麦前の酒と肴をそろえ、こだわりをもってやっていくご主人には気概を感じた。店内にはうどん国民を啓蒙するかのように、蕎麦の楽しみ方を書いた手作りチラシが置いてあった。
帰り際に「県外の方ですか?」と尋ねられたので「東京から出張で来ました、美味しかったです」と答えると、店主がにっこりして「ありがとうございます」と。何を偉そうに…と自分でも思うけれど、まあ蕎麦好きは蕎麦好きを知るといったところだろうか。