ゾンビとバンパイアについて

ゾンビは元々ブードゥー教、バンパイアはキリスト教との関わりが深いものだったが、最近の映画やドラマでは、いずれも「細菌やウイルスによって引き起こされる一種の病気」という疑似科学的説明がなされる場合が多い。とくにゾンビにおいて。
ブードゥー教はもちろん、キリスト教も普段の生活から縁遠い我々日本人にとっては、これまでゾンビもバンパイアも創作世界に取り入れられる機会が少なかった。が、宗教色が薄れ細菌性の病気ということになれば、話は違ってくる。
しかし忘れてはならないのが、ゾンビもバンパイアも土葬文化の賜物であるということ。
死体を火葬してしまえば、そもそも異形に変化することはない。だから日本では、霊魂とか怨念が具象化した「幽霊」がポピュラーなのだろう。
こうして考えると、日本でゾンビやバンパイアの映画を成立させるには、宗教から離れ、さらに葬儀(火葬)からも離れたシチュエーションが必要になる。


ところで、同じ「不死」にかかわるキャラクターであるゾンビとバンパイアだが、“セクシーさ”については明らかにバンパイアのほうが上。昨今のアメリカにおけるバンパイアブームの成功の秘訣は、まさにここにあると思う。ゾンビは全然セクシーではない(そりゃそうだ)。
幽霊はセクシーなこともありうるだろう。「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」など、人を誘惑する幽霊の話というのは古くからある。


…というようなことを、寝る前に考えた。


【追記】
その後ネットでいろいろ調べたら、ご丁寧にwikipediaには「ゾンビ映画の一覧」という項目があって、これを見るに日本でも何本かのゾンビ映画が撮られている。私は不勉強にしてどれも存在すら知らなかったのだが(あ、「地獄甲子園」は渋谷で見たな)、いろいろあるんだな〜。
中でも最も気になったタイトル「実録外伝ゾンビ極道」もググってみたら、なかなかの怪作だったようで…。詳細は「a Black Leaf」さんのこちらのレビューを参照のこと。