『新・平家物語(六)』

新・平家物語(六) (吉川英治歴史時代文庫)
鹿ケ谷事件の後「鬼界ヶ島」に流された僧・俊寛の異様な最期から始まる第6巻。一言で「遠流」とか「流刑」とか言うけれど、平安の昔に都から離島に連れていかれる実際は如何ばかりのものだっただろうか。佐渡島壱岐だって相当の秘境だったはず。
ともあれ、清盛はようやく老いを見せ始め、源三位頼政以仁王と静かに蜂起の時を待ち、義経と弁慶がついに邂逅する。やがて政変は激しさを増し、後世の人が清盛を悪者にする一番の理由でもある、後白河法皇をも処罰の対象にした…つまり実質上のクーデターが勃発したところでこの巻は幕を閉じる。
いよいよ事態は風雲急を告げてきた。…それでもまだ、全16巻中の第6巻なんだよな…。