「恋愛小説家」

恋愛小説家 [DVD]
1997年の作品…ということは、もう公開から10年たつのか。
公開当時、大学の友人のjack君が、痛くこの映画を気に入っていたのを思い出しながら見ました。私自身は初見。


本当は心根が優しいのに、生来の皮肉屋であるがために偏屈で嫌味な男と誤解される小説家が、普段通っているカフェのウェイトレスとすったもんだの挙句に結ばれる…という、ストーリー自体はありきたりのお話。そこを、どこからどう見ても優しそうに見えないジャック・ニコルソンと、病気がちの息子を持つ母親役を説得力充分に演じたヘレン・ハントという、2人の実力派による共演で最後まで飽きることなく見せてくれました。
主人公の職業が小説家であるだけに、「You make me want to be a better man」とか、小粋なセリフが多数出てきました。

「テーブルに料理を運んでいる君が、世界で最高の女性なのに、みんな見過ごしている。それに気付いているのは僕だけだ。それが誇らしい。」

…なんて、まあ普通の二枚目に言われても歯が浮く思いになるのですが、ジャック・ニコルソンのあの顔で、眉毛を引きつらせながら言われると、逆になんか素直に信じられるから不思議です。
原語でスムースに聴き取れるだけの語学力が欲しい、と思わせる小洒落た脚本でした。


それと作中での使われ方が気に入ったのが、ヴィレッジ・ピープルの「Y.M.C.A.」と、ナット・キング・コールの「I love you for sentimental reasons」。とくに「Y.M.C.A.」のほうは、ゲイの画家と一緒にドライブに出発する時に、ニコルソンがカーステレオでこれをかけて、「おっと失礼」とか言う場面。ゲラゲラ笑ってしまいました。