初ちぎり

蒼天なれどすごい風。ベランダに洗濯物を干したら、物干し竿ごと飛んで行った。
お昼にNHKで再放送(何度目?)の「美の壷」を見た。和菓子の回を見ていたら、和菓子を愛でる壷の一つで「菓銘(ネーミング)」を楽しむ…というのが挙げられていた。
その一例として紹介されていた、「初ちぎり」というお菓子。これは柿の実を模した生菓子の名前なのだが、このネーミングは加賀千代女の「渋かろか 知らねど柿の初ちぎり」という句にちなんだものだそうだ。
句の大意は、「結婚というものが良いものか悪いものかわからないけれど、ともあれ嫁いでいきます」という、期待と不安の入り混じった結婚直前の女性の気持ちを、採った柿の実の味に託して表しているとか。「ちぎり」は「千切る(もぎ取る)」と「契る(結婚する)」の意味が掛詞となっているのだろう。