「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」

ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド スペシャル・エディション [DVD]
つれあいは自他共に認める(?)ゾンビ映画好きで、あれを見ろだのこれを見ろだの、なかなかうるさい。
そこで今日は、ジョージ・A・ロメロ監督の「DAWN OF THE DEAD(邦題「ゾンビ」)」を借りてこいと言われて、私が間違えて借りてきた同監督の「NIGHT OF THE LIVING DEAD」を一緒に鑑賞することとなった。
1968年の作品で、これがまさにゾンビ映画の流行の発端となったそうだ。ギクシャクとしたゾンビの動きも、脳を破壊すれば死ぬというのも、この映画以降に定着したもの。


40年前の作品だけに、特殊メイクもそれなりだし合成技術は皆無に等しいのだが、モノクロ特有の怖さというものがある。何よりも、当時としては(そして今見ても)相当革新的なストーリー、とくにエンディングには驚かされる。


DVD特典で、監督やスタッフたちによる副音声解説が入っていたのだが、これも非常に面白かった。
ゾンビ役をはじめとするエキストラは、ほとんどロケ地ピッツバーグの地元の人々やスタッフの友人・家族がやっていたそうで、主要キャストも特殊メイクをしてゾンビ役を演じていたとか。小道具もスタッフの家族の私物だったり。とにかくかなりの低予算映画だったようだ。


ヒーロー役を黒人俳優が演じていたことについて、後世の評論家たちは公民権運動や人種差別問題などと絡めさまざまに解釈をしたようだが、ロメロ監督は「そんな意識は全然無かった。オーディションに来た俳優で一番上手かったのがデュアン・ジョーンズで、デュアンはたまたま黒人だった、それだけのこと」と述べていた。そして、「でも、映画作りとはそういうもの。我々は一生懸命作るが、それを解釈するのは観客の自由だ」とも。